
県は、県立美術館(大津市)の2032年度のリニューアルオープンの目玉として、アメリカの現代芸術家ジェームズ・タレルさんの作品の購入を計画している。香川県・直島の地中美術館などで人気を集める作家で、集客力を高める狙いがある。(梨木美花)
県によると、タレルさんは1943年生まれ。光と知覚体験をテーマとするアーティストで、2013年にニューヨークで開いた個展には47万人が訪れた。国内では直島の地中美術館、金沢21世紀美術館(金沢市)などで展示され、人気を集めている。今回、購入を検討しているのは、直島にあるような屋内空間の作品だという。
県立美術館はアメリカ現代美術を収集方針の一つとしている。1982年度には抽象表現主義を代表する画家のマーク・ロスコの抽象画「ナンバー28」を9300万円、88年度にはクリフォード・スティルの「PH―386」を2億円、ポップアートの巨匠、アンディ・ウォーホルの版画「マリリン」を84年度に990万円で購入している。
タレルさんもアメリカ現代美術を象徴する存在で、県は「作品を収蔵できれば、アジアでも有数の質を誇るコレクションを強化し、国内の公立美術館の中で明確な差別化を図れる」と強調する。
同館は10月23日からリニューアル設計の公募を開始した。タレルさんの作品は特殊な展示室を必要とするため、設計までに購入の有無を明らかにする必要があり、県は今年度中にも予算案を提案する方針だが、現時点で金額は明かしていない。
県立美術館は、2013年に改修増築して「新生美術館」とする計画がまとまり、建築界のノーベル賞と呼ばれる「プリツカー賞」を受賞した建築家ユニット「SANAA(サナア)」が設計を手がけた。しかし、17年に建築費の高騰などで入札不調となり、計画が白紙に戻っていた。
三日月知事はタレルさんの作品購入について「感じ方が一様でないがゆえに、様々な議論交換ができるという意味で、滋賀県の美術館にふさわしい作品だ」と評価する。その上で、「いろんな受け取り方がある作品なので、(広く)理解をいただく作業計画期間が重要だと思う。きちんと説明を尽くしたい」と話した。
出典:読売新聞オンライン
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