
秋の褒章受章者が発表され、県内からは11人が栄誉に輝いた。社会奉仕活動に貢献した「緑綬」が1人、農業や商工業に精励した「黄綬」が4人、社会福祉や工業振興など公益に尽くした「藍綬」が6人選ばれた。発令は3日付。受章者のうち、黄綬の2人に喜びの声を聞いた。(中村総一郎、武井彩留)
トマトやキュウリなどハウス栽培を中心とする生産技術を確立し、地域の農業者にも広げた。「諦めずに続けてきたことが認められた」と喜び、「家族の支えがあったから」と感謝の気持ちを口にした。
子どもの頃から両親の農作業を手伝い、農業を仕事にする、と中学2年の時に決めた。高校卒業後、いったん設計事務所に勤めたが、両親が入植した干拓地に施設野菜の団地が整備されることになり、1年たたないうちに農業の道へ。
「農業は土が命」。連作障害を解消するため、微生物や酵素を使った発酵 堆肥 の作り方を学び、その後は自ら生産した。化学農薬を使わず、畝をシートで覆って土壌の病原菌や害虫を死滅させる太陽熱消毒も採用した。
成果はすぐに表れない。肥料の成分や温度管理などを変えては試した。持ち前の負けん気で続けると徐々に結果が出た。「土に力がついてきた」と実感。40年以上連作してきたほ場は今も豊かに実り続ける。
県指導農業士となり、後継者育成にも尽力。県立農業大学校の学生を受け入れた。次男が継いだ農園に就職を希望する若者もやってくる。農業を志す若者にかつての自分を重ねている。
草津市でレンコンを地域の特産品としてブランド化を進めた。「地域のために取り組んできたことが認められた。受章が町の活性化につながってくれたら」と笑顔を見せた。
33歳で父の後を継ぎ、コメや大豆などを作っていたが、約10年前、湖岸で群生地として有名なハスの花に着目し、レンコン栽培を始めた。収穫期の冬には、ホースが凍るほど冷たい水の中で中腰になり、泥の中に沈むレンコンを引っ張り出す。「しゃきしゃき」と「ほくほく」のどちらの食感もあるのが特徴で、かむほどに甘みが感じられる。「琵琶湖からすま蓮根」の名前で、「草津ブランド」の認証を受け、道の駅草津や県内の料理店で販売、提供されている。
他にも、担い手の育成や地元の食育に尽力している。「若い人が農業に参加しやすい環境を作っていく。昔から続く自然豊かな草津の田園風景を守っていきたい」と力を込めた。
出典:読売新聞オンライン
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