
県内を走る国道での野生動物の交通事故死「ロードキル」を減らそうと、国土交通省滋賀国道事務所が乗り出している。県内では大津市北部の山麓を走る国道161号が、シカとイノシシの出没エリアで、9月下旬から従来の標識に「ここから7km」などと出没目安の距離を書き加え、注意喚起を強化し始めた。(梨木美花)
これまでの対策は動物の獣道になるトンネルを作るなど、道路構造を工夫して、動物に車をよけてもらう対策が中心だったが、近年は車が動物を回避するドライバー側のアプローチを模索している。
同事務所管内の国道は1号、8号、21号、161号の4路線で、2019年度から24年度の6年間に起きたロードキルは2583件。最も被害に遭った動物はタヌキの1029件で、シカとイノシシは計442件だった。しかし、大型動物で、衝突した際に人が大きな被害を受ける可能性が高いことから、シカとイノシシに注目した対策を講じることにした。
同事務所がデータを分析したところ、シカとイノシシが被害に遭った442件の発生場所の約7割を占めるのが国道161号だった。ロードキルの発生連絡が多い時間帯は、午後7時~午前9時で、特に出勤時間帯とみられる午前6時~7時が多い。
中でも北小松南交差点付近から和邇インターチェンジまでの約12キロの間にはうち79件と被害が目立っていた。そのため、シカが出没する区間への意識を強めてもらおうと表示を変更。
この区間で設置されていた「動物注意」の標識4枚を「タヌキ」と「サル」から、「シカ」のシルエットに変え、「ここから○km」との表示も加えた。
同事務所の橋本清秀副所長は「標識によってロードキルを減らしたい」とした上で、もし道路上で動物が飛び出してきた場合は「法定速度や指定速度に応じた安全運転が重要だが、可能な範囲で車線を維持しながら減速し、動物が道路上からいなくなるのを待ってほしい」としている。さらに「ハンドルを切って他の車線に出たり、急ブレーキをかけたりすると大事故につながる恐れがあるのでやめてほしい」と言う。
万が一、動物をひいてしまった場合は、安全な場所に車を停止し、110番と、道路緊急ダイヤル(#9910)へ通報してほしいとしている。橋本副所長は「危険なので、車外に出たり動物に触ったりしないで」と呼びかけている。
出典:読売新聞オンライン
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