芝生広場が目玉、アリーナ構想も浮上
にぎわい創出市が社会実験
野洲市が、JR野洲駅南口周辺の市有地計2万5800平方メートルを活用し、にぎわいを創り出す取り組みを始めている。5月下旬には区画の一部で活用法を探る社会実験を行った。別の区画にはプロスポーツや音楽イベント開催が可能なアリーナ建設構想も浮上。野洲駅前はどう生まれ変わろうとしているのか。(河村真司)

桜本直樹市長が公約に掲げた、市民が楽しめる空間にする「駅前パークモール構想」の一環。A~Eの5区画に分けた南口周辺のうち、今回はA区画(5400平方メートル)で、人工芝を敷いた芝生広場やステージをつくり、9日間にわたり正午から4時間、様々なイベントを開いた。
日曜日に芝生広場で家族4人でピクニックをしていた野洲市の30歳代会社員は「誰でも遊べるスペースがあるのはうれしい」と歓迎。彦根市から訪れた80歳代女性も「駅に近いところに広い公園があるのは気持ちいい」と笑顔で話した。
ただ、週末は家族連れなどが多く訪れたものの、平日になると人の姿はまばらになった。「公園に来る人は(公園ができることを)歓迎してくれる。来ない人が(駅前のあり方を)どう思っているのかが大事になる」と桜本市長は話す。
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芝生広場と並んで、D区画(1万900平方メートル)では、アリーナ建設構想も浮上している。5月下旬、滋賀のスポーツ・文化の振興を図る公益財団法人「滋賀レイクスターズ」などの新アリーナ構想が、スポーツ庁の「スポーツコンプレックス推進事業」に採択された。プロバスケットボールBリーグ・滋賀レイクスの本拠地になると同時に、音楽イベントなどでも5000~6000人の収容が可能なアリーナだ。

市はこの区画の活用について「文化ホールの大規模改修」「アリーナの新設」「企業誘致と新小劇場整備」の3案に絞り込む。市民の発表会にも使用できる多目的ホールも整備予定で、滋賀レイクスターズの坂井信介理事長は「スポーツ、文化の振興施設として5000人規模のアリーナが県内に必要。5~6年で完成できれば」と採択を契機に具体的な建築、財務計画の作成に向けた調査を促す。
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桜本市長は駅前の全体像を「コンパクトな長崎」と構想する。サッカーJ1リーグのV・ファーレン長崎が2024年にオープンした本拠地スタジアムは、ホテルやオフィス、商業施設が一体となった「長崎スタジアムシティ」として、開業1年目で485万人を集めた。芝生広場からアリーナへと続く動線は、J1・サンフレッチェ広島の本拠地の立地とも似る。
市は昨年5月、マンション建設を計画した事業者に連携終了を通知。今年5月には整備基本計画策定業務を委託する事業者と新たに契約を結んだ。公約実現に動き出したが、賛成の声ばかりではない。市外からの流入人口の呼び込みを求める意見も、市民の間には依然根強くある。
「まちなかスタジアム」の潮流が、野洲にも訪れるか。
