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虐待防止共に考えて 

高島の女児死亡20年 

 高島市で2006年に虐待を受けた女児が死亡した事件は、今年で発生から20年となる。当時、県で児童虐待防止を担当した郷間彰さん(60)が14日、草津市で事件への思いを交え、専門家とともに講演する。虐待防止の取り組みのあり方を考えるきっかけにしたいとの願いを込め、「当時を知る人が少なくなっている。改めて事件を知り、学んでほしい」と呼びかけている。(小手川湖子)

虐待防止共に考えて 
講演会への参加を呼びかける郷間さん(栗東市で)

 06年7月、高島市新旭町で発生した事件では、当時2歳の女児が両親から熱湯を浴びせられるなどし、亡くなった。以前から県中央子ども家庭相談センター(草津市)と高島市が支援を行っていた家庭だった。

 女児は生後間もない04年1月から乳児院へ預けられたが、05年8月頃から実母が引き取りを希望。同年9月~06年4月の8回の家庭での外泊後、5月に乳児院の入所措置が停止され、実母や養父と同居するようになった。

 しかし、同居開始後はセンターが家庭訪問などで女児への接触を図ろうとしても、様子を確認することができなくなった。2か月後、女児は亡くなった。

■行政判断の甘さ

 当時、郷間さんは県子ども家庭課で勤務し、子ども家庭相談センターの支援を担当していた。悔恨とともに、あの時のセンターの対応を巡り、女児を自宅に帰す際の判断に甘さがあった、と振り返る。「入所措置の停止は入所措置の解除ではない。『完全に家に帰せる状況でない』と判断したにも関わらず、家庭訪問や立ち入り調査もされず事件が起きてしまった」

 事件の発生前、近隣住民は女児の泣き叫ぶ声などを聞いていたが、センターや県警に通報する人はなく、事態の悪化を防げなかったことにもやるせなさが募った。

■研修や体制拡充

 その後は、担当職員の一人として、研修などの再発防止に取り組んできた。事件を受け、県は児童福祉司の大幅な増員や、行政の職員以外にも専門の児童福祉司職(現在は社会福祉士職)の採用を始めた。草津市と彦根市にしかなかった子ども家庭相談センターも、現在は4か所に設けられ、体制の拡充が図られた。

 10年に保育士や教員らと、児童虐待防止に取り組む市民団体「CFRびわこ」を設立したほか、虐待防止の「オレンジリボン運動」にちなみ、オレンジ色のたすきをつないで琵琶湖岸を走るリレーなどの活動にも取り組んでいる。郷間さんが趣味とするマラソンを啓発に生かす取り組みだ。

■いち早く通報を

 児童虐待防止法で、虐待を発見した場合は児童相談所や市町村への通告が義務づけられていても、事件が起きる前に近隣からの通報がなかったことの教訓から、「気付いたら『189(いちはやく)』へ通告を」の呼びかけに力を入れている。

 これまでに啓発品として配ったオレンジリボンは16万個を超えた。「事件から20年で子どもや保護者への支援は大きく進んだが、子どもたちに何ができるか、改めて考えてほしい」。訴えに切実さがこもる。

 講演会は、郷間さんが代表を務める「CFRびわこ」の主催で、14日午後1時半、草津市野路のフェリエ南草津で行われる。参加無料。事前申し込みが必要で、メール(cfr@biwako.eek.jp)に氏名、電話番号、所属(任意)を記載し申し込む。

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[紹介元] YOMIURI ONLINE 虐待防止共に考えて