高市首相への信任や、自民党と日本維新の会による連立政権に対する評価が問われた衆院選は、自民の歴史的圧勝で幕を閉じた。県内の全3選挙区で自民と維新が競合したが、結果は自民が議席を独占。野党は軒並み振るわなかった。湖国での選挙戦を振り返る。(敬称略)

「反応が明らかに違う」
衆院選公示前日の1月26日早朝、JR大津京駅前に立った滋賀1区の自民・大岡敏孝は、「高市旋風」の兆しを感じとっていた。
前回選は「政治とカネ」の問題の余波で連日のように「裏金!」とヤジを浴び、維新の斎藤アレックスに約4000票差で競り負け、比例復活に回った。
今回、タッグを組んでいた公明党は連立政権を離れ、同党県本部は1区を「態度未決定」として、事実上の自主投票とした。斎藤は維新の政調会長に起用されて実績と知名度を上げ、連合滋賀の推薦を受ける国民民主党の河井昭成らも参戦し、これまで以上に厳しい戦いが予想された。
しかし、ふたを開けてみると、前回選に比べて街頭でチラシを受け取る人は目に見えて増え、中でも若い世代が目立った。大岡自身は「物価高対策に真正面から取り組む」と主張し、地元でのインフラ整備などの実績をアピールする今まで通りの戦いで臨んだが、斎藤に約2万9000票差をつけて1区での議席を取り戻した。
2、3区も同様だった。
2区は前回選で、野党候補2人の得票合計が自民の上野賢一郎よりも多く、上野が勝利したものの、自民にとっては「ノー」を突きつけられたも同然の結果だった。だが今回は、高市政権で厚生労働相を務める上野の得票は14万票超で、中道改革連合と維新の候補2人の合計を4万8000票近く上回り、圧倒。2区内のすべての市町で得票1位で、得票率は6割に達した。
与野党の6人が争った3区も、自民の武村展英が大きく抜け出し、中道改革の候補の3倍以上となる10万票超を獲得した。
比例票でも、自民は約36%で前回から約10ポイント伸ばしたが、維新は前回から2ポイント以上減らして約16%。野党の最多は中道改革の約13%だが、前回の立憲民主党と公明の得票率から半分近くに落ちこんだ。県内で候補者を擁立した他の野党も、参政党を除いて票を減らした。
維新は、高市政権による改革の「アクセル役」だと訴えたが、斎藤が辛くも比例復活するにとどまった。県総支部幹事長の河村浩史は「与党対決は有権者には分かりにくかったが、選挙区調整をしたら維新の支援者が離れてしまう。与党だからといって主張も変えられず、野党の方が戦いやすかったかもしれない」と複雑な胸の内を明かした。
県内では、夏に知事選や県議補選、来年には統一地方選が控える。自民は知事選で独自候補の擁立を目指しており、大岡の選対を支えた自民県議の1人は「高市さんの人気や風は想像以上だった。地方選にも弾みがつく結果だ」と自信を口にした。
