大津 詠まれた景色 50人周航
船上から琵琶湖畔の景色や寺社などを眺めながら和歌を楽しむ「琵琶湖周航和歌の旅」が6日、大津市内の琵琶湖上で行われ、約50人が和歌の魅力や大津の歴史に思いをはせた。
県内には、近江神宮や石山寺、比良山など和歌に詠まれている景色が多い。それらの情景を基に作られた古典や現代の詩を味わってもらおうと、びわ湖芸術文化財団と大津詩音研究所が企画した。
この日は、大津港を午前10時に出港。飛鳥時代に近江大津宮へ遷都した天智天皇が詠んだ「秋の田のかりほの庵の苫をあらみわが衣手は露にぬれつつ」を、同研究所の金子瑞穂代表(72)が弦楽器「ヘルマンハープ」奏者・山本泰子さん(69)の演奏に合わせて披露すると、参加者らは景色に見とれながら思い思いに歌の世界を味わっていた。
その後も、源氏物語の一場面や、比叡山延暦寺を開いた最澄が「不滅の法灯」を詠んだ歌などを金子さんが紹介しながら、琵琶湖大橋や石山寺方面を航行。最後は全員で「琵琶湖周航の歌」を合唱し、約1時間半のクルーズを締めくくった。
参加した大津市の女性(76)は「湖上から見る景色とその歴史、歌がとても合っていて引き込まれました」と笑顔。金子さんは約10年前から県内の寺社などを訪ねて和歌の研究や創作を行っており、「これからも和歌と滋賀の魅力を発信し続けたい」と意気込んでいた。
[紹介元] YOMIURI ONLINE 和歌の世界 湖上で堪能