ラーケーション4月から 県立中高などで
県教育委員会は4月から、県立学校の児童生徒が体験学習のために平日に学校を休むことができる「滋賀・体験の日」を導入する。まずは大阪・関西万博への参加や国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会(国スポ・障スポ)の観戦を対象に計3日間までは欠席扱いにしないといい、14日には県教委が各市町教委にも実施を検討するよう文書で通知した。(矢野彰、西村歩)
万博、国・障スポに合わせ
「子どもの学び(ラーニング)」と「保護者の休暇(バケーション)」を組み合わせた造語で、愛知県が2023年度に始めた「ラーケーション」にならった試み。児童生徒が平日に体験学習をする場合、年に3日間まで欠席扱いにしない取り組みで、保護者が土日に仕事でも、親子で過ごす時間を確保する狙いがある。
愛知県以外の自治体にも広がりつつあり、茨城、熊本、山口県や大分県別府市などが取り入れている。
滋賀県内では長浜市が昨年9月から、市内の全小中学校と義務教育学校計35校で「ラーケーションの日」(年3日間)を始めた。原則1週間前までに、行き先や学ぶ内容を専用の用紙に記入して学校に提出する。農作物の収穫やハイキング、芸術鑑賞といった活動を想定しており、市内の博物館など10施設を利用した場合には、同伴の保護者2人まで無料になる。
長浜市教委によると、2学期に30校で延べ340人が申請した。担当者は「知識の幅を広げ、家族の絆を深める効果はあると考えており、今後も続けていく」と話す。
こうした動向を受け、県も万博(4月13日~10月13日)や国スポ(9月28日~10月8日)、障スポ(10月25~27日)の開催に合わせ、すべての県立学校で実施することにした。
内訳は高校46校、中学校3校、特別支援学校16校で、事前に利用日や行き先を届け出るほか、学びや気づきを報告してもらう。高校は生徒だけで利用できるが、中学校と特別支援学校は保護者同伴とする。また、定期テストなどで利用できない日もある。
県教委の福永忠克教育長は13日の記者会見で「これからは学校の外での学びが大切。児童生徒が興味・関心に応じた学びを自ら考え、自ら計画して参加することは大事だ」と強調。その上で「いい面や課題を聞き、どこまで広げたらいいか考えたい」としており、県教委では26年度以降に対象とする体験内容の拡充も視野に入れている。