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ダンプ事故 禁錮2年4月

事故当時、男児が身に着けていた帽子と靴、作文(右端)(大津市で)
事故当時、男児が身に着けていた帽子と靴、作文(右端)(大津市で)

地裁判決 男児 今も意識不明

 野洲市で3月、下校中の当時小学2年の男児(8)がダンプカーにはねられ、重体となった事故で、地裁は30日、自動車運転死傷行為処罰法違反(過失運転致傷)に問われた運転手の男に禁錮2年4月(求刑・禁錮4年)の実刑判決を言い渡した。男児は今も意識が戻らず、判決後、両親は報道陣の取材に「息子は一生ベッドでの生活になる。交通事故に関する罪の重さを改めて社会で考えてほしい」と訴えた。(青山大起)

両親「罪の重さ社会で考えて」

 判決によると、守山市の建設業の男(28)は3月11日午後3時15分頃、右手に持った携帯電話で通話をしながらダンプカーを運転し、赤信号に気づかず時速約40キロで野洲市行畑の市道交差点に進入。青信号で横断歩道を渡っていた男児をはねて、生涯介護が必要な後遺症を伴う重傷を負わせた。

 判決では、男が事故発生までの約20分間、同業者の友人と通話をしていたことや、事故半年前の昨年9月にも携帯電話保持等の交通違反歴があったことを指摘。沖敦子裁判官は「交通法規を軽視する姿勢は明らか」と断じ、「生じた結果は死亡に匹敵するほど重大。被害者の恐怖や苦痛は想像を絶する。刑の執行を猶予すべき事案とは認められない」と実刑判決を下した。

 判決後、両親は大津市内で取材に応じた。恥ずかしがり屋で人見知りの息子だったといい、男児が事故当時に身に着けていた学校の黄色い帽子、スニーカー、男児が書いた作文を報道陣に公開。作文について、母親は「ネズミの兄弟が冒険に出るお話で、兄弟が帰って来た時に喜び、『よかった。けががなくって』と書かれていた。いつも私が『けがをしないで帰ってきてね』と言っていたからだと思う」と話した。

 9日に行われた意見陳述で、母親は「息子は1700グラムの小さな体で生まれ、大事に大事に育ててきた」「私たちは息子のいない家で泣きながら過ごしている。息子が頭の中で『ママ、助けて』と何度も叫ぶ」などと家族の悲しみや苦しみを訴えていた。この日の実刑判決について「家族みんなの思いが裁判官に伝わった」と一定の評価をした。

 一方で「2年4か月で罪が償えるとは思えない。被害者側の感情と実際の量刑との隔たりは大きい」と語り、父親は「交通事故は執行猶予になることが多い。罪の重さを社会全体で考えてもらいたい」と涙を流しながら訴えた。

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[紹介元] YOMIURI ONLINE ダンプ事故 禁錮2年4月

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