外国人へ日本PR 座禅 ■ 精進料理 ■ 煎茶道
東近江市の臨済宗永源寺派大本山「永源寺」が外国人向けに制作したPR動画が、日本の魅力を世界に発信する動画のコンテストでグランプリを獲得した。豊かな自然や座禅、精進料理など日本の素晴らしさを海外にわかりやすく表現したことが評価された。(中村総一郎)
コンテストは、日本の魅力を海外に発信することを目的として、政府や民間で組織するクールジャパン官民連携プラットフォーム(CJPF)が主催。全国から294作品の応募があった「CJPFアワード2024」ムービー部門で、永源寺が制作した動画「源 ROOTS OF JAPAN 永源寺エリア 日本の原風景を訪ねて」が、栃木県の佐野市観光協会が制作した佐野ラーメンの魅力を伝える動画とともにグランプリに選ばれた。
永源寺の動画は、3分余りで、自然豊かな永源寺を訪れた外国人らが座禅や精進料理、煎茶道、室町時代から栽培されてきた在来茶「
茶」に触れる光景をストーリー仕立てにした。ナレーションはなく、静かな音楽を背景に映像が流れ、英語と日本語の字幕で説明。「ようこそ、日本のルーツをめぐる旅へ」と呼びかける内容だ。
永源寺では、コロナ禍で寺を訪れる人が減っていた2022年秋、外国人らの体験ツアーの様子を撮影した動画を、観光庁の補助を受けて制作。23年3月から寺のホームページで公開し、同9月にアワードに応募した。
ムービー部門は、外国人の目線に合わせた表現や独創性などを基準に審査。永源寺の動画は審査員から「お寺を舞台に、日本の『引き算文化』を表現しており、外国人が初めて見る日本文化として秀逸な精神的体験を提供してくれる」と評価された。
今年2月に東京都内で表彰式があり、4月17日、永源寺の横山玄秀・宗務総長(72)が東近江市役所へ受賞の報告に訪れた。横山宗務総長は「多くの作品から選ばれ、いまだに信じられない。外国人観光客に来ていただけるように受け入れ体制を整える」と話し、小椋正清市長は「世界に永源寺の価値を広げたい」とたたえた。
動画はCJPFや、永源寺のホームページから視聴できる。