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<参院選2025>候補者の横顔(上)(届け出順)

 参院選滋賀選挙区(改選定数1)には、過去最多となる新人7人が立候補し、20日の投開票に向けて論戦を繰り広げている。各候補の横顔を2回に分けて紹介する。

佐藤 耕平さん 43 共産・新

街を散歩 風景ぱしゃり

 5回目の国政挑戦となる。立候補の原動力は「暮らしを良くしてほしい」といった切実な声。その声に応えるべく、昨秋の衆院選後からはユーチューブやTikTok(ティックトック)などでの動画配信にも力を入れている。

 子どもの頃、家族との沖縄旅行で見た「ひめゆりの塔」や、漫画で読んだ「はだしのゲン」を通じて「戦争や原爆の被害は恐ろしい」と痛感。大学生の時に戦争反対を訴え続けていた共産党に入った。

 ロックバンドが好きで、4月には宮城県で行われたロックフェスを楽しんだ。最近は写真にも興味があり、散歩をしながら草花や風景を撮影することもある。

 同性カップルの暮らしを、日常の食を通じて描いた漫画「きのう何食べた?」がマイブーム。「読んでいてほっこりする」と笑顔を見せつつ、「偏見や誤解は知らないことから生まれてくる。どんな人も個人として尊重される社会をつくっていきたい」と力を込める。

中田 あいさん 46 参政・新

日本酒や陶芸 趣味多彩

 京都府舞鶴市出身。小学3年生の時に滋賀県に移り住んだ。社会人と高校2年の息子2人を持つ母親で、専業主婦を経て現在は内装業を営む。

 夫が経営していた内装会社が倒産。消費税や社会保険料の負担に苦しみ、インボイス制度について考えていた2022年、参政党の「日本の国益を守る」といった理念に共感し、入党した。

 日本酒が好きで、愛犬との散歩や陶芸、ワラビなどの野草採取と趣味は多彩。自身の性格を「好奇心が旺盛な一方、ぶれない軸を持っている」と分析する。

 「あんたが決めたことやったら、応援するで」と夫や息子たちも背中を押してくれている。まずは自分のことや党について知ってもらおうと、近所の交差点や駅で街頭演説をこなす。まだまだ慣れないが、「声を上げられない人や、小さな声に耳を傾ける思いやりの心こそが政治の役割」と自らを奮い立たせている。

宮本 和宏さん 53 自民・新

自転車で旅 ビワイチも

 国土交通省の職員から転身して、守山市長を3期12年務めた。その後はパリの経済協力開発機構(OECD)で働き、日本と海外の賃金格差や、若者の目の輝きの違いに危機感を抱き、自ら国政で改革を進める決意をした。

 大阪府枚方市出身。大学浪人時代、気分転換に府内の街を歩いた。実家のニュータウンとは対象的な、下町の路地や長屋が形作る景観に心ひかれた。大学で建築を学び、「よい街、よい景観を作りたい」と旧建設省に入った。市長になって市立図書館を建て替えると、近くの川辺でくつろぐ親子連れが増えた。

 高校生の頃は自転車で片道7キロを通学し、大学では自転車部で各地を旅した。「ビワイチ」も何度も達成する本格派だ。

 国政挑戦を決めてからは、忙しく県内を飛び回る。疲れた時に聴くのは、渡辺美里さんの「マイ・レボリューション」。「一番の応援ソング」だという。

堀江 明さん 38 国民・新

座右の銘は「塞翁が馬」

 大津市出身。両親の離婚で3歳上の兄とともに母子家庭で育った。生活は豊かでなく、高校受験は「失敗できない」と考え、公立進学校への挑戦は諦めた。スーパーのアルバイトで家計を助け、勉強する時間も十分に持てなかった。

 専門学校を経て大津市役所で働き始めたが、知識不足から「学び直し」の必要を痛感。社会人が通える大学院で経営学を学んだ。そこから産業支援の仕事をしたいと思うようになり、県庁に転職。中小企業診断士の資格も取得した。

 「ちょっとした学びで人生は変わる。その経験をみんなができるきっかけ作りをしたい」。インターネットの動画で共感した国民民主党の公募に手を挙げた。

 市職員時代に過労で3か月休職した経験から「人間万事

塞翁

さいおう


が馬」が座右の銘になった。6月に4人目の子どもが生まれ、守るべきものが増えた。周囲に「熱さが足りない」とも言われるが、秘めた思いは熱い。

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