
20年比 「絶滅種」新たに2種/「危惧種」22種増
絶滅の恐れがある県内の野生生物の状況をまとめた独自のレッドデータブック「滋賀県で大切にすべき野生生物」について、県は2025年版を発行した。5年ぶりの改訂で、前回20年と比べて水生昆虫2種が新たに「絶滅種」となり、「絶滅危惧種」もタカ科のチュウヒなど22種が増加。動植物の生息環境が脅かされている状況が浮き彫りになった。(矢野彰)
県は、県内の野生動植物を巡る状況を把握しようと、1997年に専門家による「生きもの総合調査」を開始し、2000年にレッドデータブックを発行。以来、5年に1回改訂している。
今回、過去50年ほど野生で確認されない「絶滅種」は1種増えて18種になった。新たに加わったのは沢水の流れ込む水田を好むマダラシマゲンゴロウと、湖底などにすむカワムラナベブタムシ。一方で、前回「絶滅種」とされた水生昆虫キイロネクイハムシが22年に再確認され、生息しつつも絶滅の危機に
している「絶滅危惧種」にランクを下げた。

「絶滅危惧種」は、ヨシ原で繁殖するチュウヒや、水路や池で見られるミナミメダカ、琵琶湖の南湖に分布する水草ムサシモなど22種が増えて213種だった。前回入っていた、食材としても知られる固有種イサザは、危機が深刻化している「絶滅危機増大種」に移行した。

「絶滅危機増大種」ではヨシ群落に巣を作るカンムリカイツブリなど20種が増えて193種。このほか、環境の変化で容易に危機に陥る「希少種」や、情報が不足している「要注目種」などにランク分けして、計1575種を掲載した。
現在の集計方法に変わった05年版と比較すると、20年間で「絶滅種」が11種、「絶滅危惧種」は62種、「絶滅危機増大種」が50種それぞれ増加している。宅地造成や水路整備といった開発のほか、高齢化で里山や田に人の手が入らないことによる荒れ地化、外来種の増加、地球温暖化といった変化が影響しているという。
県生物多様性保全課は「絶滅の危機に直面する生物が増えている状況に目を向けてほしい」としている。書店で4400円(税込み)で販売している。
