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琵琶博6水槽 装い新た

生息環境に近い形で展示

コンクリート護岸などを表現した外来種水槽(草津市で)
コンクリート護岸などを表現した外来種水槽(草津市で)
丹後魚っ知館の擬岩が再利用されているアオバラヨシノボリの水槽(草津市で)
丹後魚っ知館の擬岩が再利用されているアオバラヨシノボリの水槽(草津市で)
外来種水槽で展示されているスクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)と卵の模型(草津市で)
外来種水槽で展示されているスクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)と卵の模型(草津市で)

 複数の水槽で破損やひびが見つかった県立琵琶湖博物館(草津市)で、使用を中止していた六つの水槽展示が25日から再開された。「日本の淡水魚」コーナーでは湧き水を、外来種のコーナーではコンクリート護岸など実際の環境を再現しており、同館の担当者は「絶滅危惧種が増えている日本の淡水魚に関心を寄せてほしい」と訴えている。

 破損した水槽の修繕に向けて実施したクラウドファンディングで集まった1159万円を使い、アクリルを交換。水槽内には陸上や水中の植生や、湧き水装置、作り直した擬岩を配置し、従来よりも生息地に近い形で展示している。

 外来種水槽では、県内の川などで分布が広がる特定外来生物でブラックバスの一種「コクチバス」を新たに展示。川の上流やダム湖での密放流に警鐘を鳴らすほか、南湖などでよく見かけるコンクリート護岸を再現。職員が手作りした、県指定外来種のスクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)と毒がある卵の模型を置き、稲や湖岸の水草を食べる様子を表現した。

 また、「よみがえれ!日本の淡水魚」コーナーでは、全国の淡水魚を紹介。沖縄県北部にのみ生息するハゼ科の「アオバラヨシノボリ」の水槽では、閉館した京都府宮津市の丹後
魚っ知うおち
館から譲り受けた擬岩を入れ、アオバラヨシノボリが腹の吸盤を使って岩を登る様子を観察することが出来る。

 水族展示の最後には、アフリカのビクトリア湖を再現した肉食魚「ナイルパーチ」の水槽があり、背景を緑から黒に変更。400種以上の固有種が生息し「ダーウィンの箱庭」と呼ばれた湖で、外貨獲得のためナイルパーチを放流したところ、半数以上の固有種が絶滅。「ダーウィンの悪夢」として映画化もされており、その問題を黒で表現している。

 企画した田畑諒一水族展示室長(魚類学)は「アクリル板の新調が、外来種や生息環境、人との関わりなどを考えるきっかけになれば」と話している。

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[紹介元] YOMIURI ONLINE 琵琶博6水槽 装い新た

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