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琵琶博 2水槽復活へCF 

ビワコオオナマズとコアユ

ふるさと納税型活用

再建するビワコオオナマズ水槽のイメージ図=県立琵琶湖博物館提供
再建するビワコオオナマズ水槽のイメージ図=県立琵琶湖博物館提供
クラウドファンディングをPRするごみ収集車(草津市で)
クラウドファンディングをPRするごみ収集車(草津市で)

 県立琵琶湖博物館(草津市)は、昨年2月に突然大破した「ビワコオオナマズ水槽」と、破損の危険性があると判断された円柱形の「コアユ水槽」の復活に向けたふるさと納税型クラウドファンディング(CF)を始めた。目標額は2000万円で、期間は11月25日まで。亀田佳代子館長は「応援してくださるみなさんと一緒に、水族展示の完全復活を目指していきたい」と話している。(西村歩)

 同館では、昨年2月10日にビワコオオナマズを飼育していた円柱形の大型水槽(直径約5メートル、高さ約3・8メートル)のアクリル板が破損し、約100トンの水が流出する事故が発生。その後、館内に約50個ある水槽すべてを点検したところ、10個の水槽でひびが見つかり、安全確認や修繕のため、同5月上旬まで水族展示室全体の閉鎖を余儀なくされた。

 同11月にはCF第1弾として、水槽の下から魚を見上げられるメインの「トンネル水槽」を含む10個の水槽を修繕する費用を募集。今年1月末までに延べ796人から計約1160万円が寄せられ、県の支出などと合わせて、水槽のアクリル板を交換することができた。

 ビワコオオナマズとコアユの水槽はともに円柱形だったが、専門家らによる第三者委員会は、アクリル板の厚さ不足や、水槽をモルタルなどで固定したため、板がいびつに膨張したことなどが原因として考えられると指摘。この調査結果を受けて、同館はこれまでとは違う形状の水槽を一から作り直すことにした。

 新たなビワコオオナマズ水槽は幅約4メートル、高さ約2メートル、奥行き約2メートルで、琵琶湖固有種のイワトコナマズとマナマズも一緒に展示する。湖底の大きな岩場に潜む感じを再現し、水槽の左右から見られるようにする。種類によって異なるナマズの腹部分の色や模様も観察できるという。

 コアユ水槽は幅約4メートル、高さ約1・5メートル、奥行き約2メートル。コアユを捕まえる伝統漁法「エリ漁」で使う網も隣に飾り、漁業との関係を強く意識した展示にする。

 再建にかかる費用は計約1億8000万円で、今年度中に完成させる方針。CFの返礼品には、寄付額に応じて展示室の掃除(3万円)やバックヤードツアー(5万円~)、水族飼育員の体験(10万円)などを用意する。

 また、CFを応援しようと、廃棄物処理などを手がける「木下カンセー」(大津市)は、「クラファンに挑戦中」といったメッセージやビワコオオナマズのイラストをラッピングしたごみ収集車2台を草津市内で走らせている。同社の担当者は「毎日走らせることで多くの人の目に留まりやすいと思うので、その効果を生かしてPRしていきたい」と話しており、CFの期間中は続けるという。

     ◇

 CFは専用サイト(https://readyfor.jp/projects/biwahaku2024)から申し込める。

 
<ビワコオオナマズ>
 琵琶湖・淀川水系の固有種で、およそ400万年前の湖底の地層から化石が見つかっており、琵琶湖の誕生時から生息しているとみられる=提供写真。昼間は水深の深い岩陰や藻の中に身を潜め、夜間にコアユやビワマスなどを捕食する。体長は1メートルを超え、20年以上生きるものもあり、「琵琶湖の主」とも呼ばれている。

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[紹介元] YOMIURI ONLINE 琵琶博 2水槽復活へCF 

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