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理系研究支援 環境作り

龍谷大・瀬田キャンパス

 大津市の龍谷大瀬田キャンパスに宿泊機能などを備えた新施設が完成した。夜遅くまで研究に打ち込む理系の学生らを支援しようとカプセルタイプの宿泊施設のほか、ウッドデッキや24時間営業の無人コンビニも整備。同大学の広報担当者は「新たな大学キャンパスの姿をアピールしていきたい」としている。(角川哲朗)

宿泊施設やウッドデッキ

キャンパス内に新たに整備されたカプセルタイプの宿泊施設(大津市で)
キャンパス内に新たに整備されたカプセルタイプの宿泊施設(大津市で)
県産木材を使用したウッドデッキ(大津市で)
県産木材を使用したウッドデッキ(大津市で)

 同キャンパスは県の誘致により1989年4月に開学。現在は先端理工、社会、農の3学部と研究科の約6700人の学生が学ぶ。来年度、社会学部が深草キャンパス(京都市伏見区)へ移転するため、改めて理系人材の育成拠点として設備の充実を目指してきた。

 宿泊ができる新施設「レストネスト」(約310平方メートル)は既存の大教室を改修した。ベッドは20床、シャワーブース5室、くつろげるようにソファや机を置いたラウンジなどを備える。深夜まで実験・実習などで帰宅の交通手段がなくなった学生が利用することを想定しており、1回1000円で利用することが出来る。

 同大学は大津・草津両市にまたがる「びわこ文化公園都市」内にあり、公共交通機関を利用すると、最寄り駅からバスで8~30分と通学に時間がかかる。そのため、これまでは研究室などに寝袋を持ち込み寝泊まりして研究する学生も多かった。宿泊施設の整備はそうした学生らからの要望を受け、決まった。同大学によると、キャンパス内に学生が使える宿泊施設があるのは珍しいという。

 施設には県産木材を積極的に使用しており、宿泊施設のほかに、学生や市民らが自由に使えるウッドデッキ2棟も整備。使用されている高島市朽木産の杉は、同市で林業を営む栗本慶一さん(75)の協力で学生が昨年フィールドワークとして伐採・加工した。

 4日に行われたオープニングセレモニーには県や大津市、大学関係者ら約100人が出席。施設を見学した入沢崇学長は「講義の合間に気軽に立ち寄ってもらい、木のぬくもりを感じて気分転換になれば」と話した。

 同大学では、ほかにもキャンパス内の研究環境を整えるため、昨年8月には天井のAIカメラと棚に設置されたセンサーで商品を認識し、セルフレジで会計する24時間営業の無人コンビニ店をオープン。学生らに好評で、先端理工学部3年の男子学生(20)は「時間を気にせずいつでも利用できるので重宝している」と喜ぶ。

 入沢学長は「学生がのびのびと研究を進める環境が整えば、新たな知見やアイデアが生まれるきっかけとなる。その後押しをしていきたい」と話している。

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[紹介元] YOMIURI ONLINE 理系研究支援 環境作り

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