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滋賀大DS連携加速 

アオコ予測など 地域課題解決へ 企業・団体と221研究 

 日本で初めてデータサイエンス(DS)学部を開設した滋賀大(彦根市)が、2016年に設置した国内初のDS教育研究拠点を中心に、民間企業などと連携を加速させている。膨大なデータを高度分析する共同研究を進め、道路補修の選定や琵琶湖内湖のアオコ予測などの地域課題解決に向けて取り組んでいる。(青山大起)

 17年、滋賀大はあいおいニッセイ同和損害保険(東京都)と連携協定を締結し、交通事故防止などを目的とした研究拠点を共同設置した。21年度には乗用車の加速度を計測する同社のアプリから全国の契約車の走行データを分析。車体の上下の加速度(揺れ)に注目したところ、その大きさから道路の劣化状況が判定でき、東京や大阪などの都市部で悪路が多く確認された。今後、分析データを希望する自治体に提供し、路面の補修箇所の選定などに生かしてもらいたいという。

 また、昨秋に開催された国民スポーツ大会の開催前も、普段の通行データから事故や渋滞発生を予測。県警に交通対策の参考データとして提供された。

 アオコが発生する琵琶湖の内湖「西の湖」(近江八幡市)で、県の補助事業で環境分析などを行う日吉(同市)とも、発生メカニズム解明に向けたプロジェクトを24年から実施。気象計や水質測定器のデータなどから、夜中から朝方にかけて風が強い日にアオコが発生しにくいことが判明。前日の風力を測定することで、翌日のアオコ発生場所を予測できたため、今後、浄水場でのアオコ発生抑制に生かしていく。

分野ごと専門家

 教育、経済の2学部だった滋賀大は、経済学部で培われてきた従来の統計学や情報学を組み合わせた文理融合型のDS学部(定員100人)を17年度に開設し、19年度には大学院のDS研究科(同20人)も設けた。現在は学部(同150人)、研究科(同80人)に拡大している。

 「データサイエンスこそ実務に根ざした学問」という竹村彰通学長の信念に基づき、16年に開設したDS教育研究組織を発展させた「データサイエンス・AIイノベーション研究推進センター」を22年度に設置。同センターを軸に企業、団体と連携協定を締結し、共同研究を展開している。金融、情報通信・サービス、製造・インフラなどの企業、国・政府研究機関、自治体などと221の共同研究を実施。受託研究・事業なども含めれば565の連携実績を誇る。

滋賀大DS連携加速 
「データサイエンスの発展にとって産学連携は欠かせない」と話す来嶋センター長(彦根市で)

 学部・大学院研究科の専任教員は37人、同センターは同21人で、医療や金融などの様々な分野の専門家がいる。「分野ごとにデータの性質は異なるが、多様なデータに対応できる」と来嶋秀治センター長は強みを語る。

 これまでに輩出された学部卒業生は約570人で、情報通信・サービスや製造業、金融業の企業などに就職。社会人の国内留学も受け入れ、民間のDS分野の発展に尽力している。「日本全体のDSの底力を上げるためにも、産学連携や社会実装を通して研究の視野を広げ、地域の課題解決に役立てていきたい」とさらなる進化を目指す。

データサイエンス(DS) AIや統計学を駆使して「ビッグデータ」と呼ばれる膨大な情報を分析し、社会課題の解決など有意義なデータを引き出すことを目指す研究分野。文部科学省によると、昨年度までに一橋大や京都女子大など少なくとも15大学がDS系学部を設置。今年度も武蔵野大など私立3大学で新設された。

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[紹介元] YOMIURI ONLINE 滋賀大DS連携加速