ニプロファーマ 9月稼働へ地元から雇用
医薬品製造「ニプロファーマ」(大阪府摂津市)が栗東市六地蔵地区で建設中だった工場が完成した。現在、ほぼ100%を中国に依存している抗菌薬原料を製造できる施設のほか、抗菌薬の点滴を生産する施設を備えている。
抗菌薬の原料を製造する「発酵棟」では、菌株の培養を経て4~5年後の製造を目指す。中国に頼る原料の国内製造は、医療の安全保障の面からも期待できる。
また手術時などの細菌感染を防ぐ抗菌薬の点滴を生産する施設は、3階建てで延べ約1万3500平方メートル。3階が製造ライン、2階が試験施設、1階が倉庫となっており、抗菌薬の点滴を年間800万袋、国内需要の約1割の生産が可能になるという。
新工場は9月の稼働を予定し、地元から約50人を新たに雇用する。
11日に開かれた
式典には、三日月知事や栗東市の竹村健市長らが出席。同社親会社のニプロ(大阪府摂津市)の佐野嘉彦社長は「抗菌薬は国全体で品不足ぎみだ。国内3拠点で生産体制を構築し、安定供給を図る」と述べた。
現在、敷地内では瓶入り注射剤の製造工場も建設中で、2026年8月の生産開始を目指す。新型コロナウイルス感染症のような感染症がまん延した場合はワクチン生産を担うという。
[紹介元] YOMIURI ONLINE 抗菌薬工場 栗東に完成