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希少綿花 守山の特産品に

資源循環 「超長綿」を実証栽培

 守山市で今年から希少な綿花「超長綿」が実証栽培されており、16日に同市水保町の「ヤンマーサンセットマリーナ」など市内3か所で収穫が行われた。プロジェクトに携わるシャツメーカーの「メーカーズシャツ鎌倉」(神奈川県)は「いずれは『守山コットン』として、ふるさと納税に採用されるようになれば」と新たな特産品としての可能性に期待している。(河村真司)

3か所で収穫 「最高品質のシャツになる」

収穫方法を説明するメーカーズシャツ鎌倉の担当者(左、守山市で)
収穫方法を説明するメーカーズシャツ鎌倉の担当者(左、守山市で)
綿花を収穫する森中市長(手前)ら(守山市で)
綿花を収穫する森中市長(手前)ら(守山市で)

 日本綿業振興会によると、綿花の国内自給率はゼロに等しい。同社は「紡績、縫製で国内生産にこだわっても、原料を輸入しているから完全国産化には届かなかった。『ラストワンピース』(最後のひとかけら)を埋めるためには自前で育てるしかなかった」と、3年前から綿花栽培を始めた。

 愛媛県今治市、神奈川県寒川町に続き、守山市は同社にとって三つ目の栽培地で、今治産綿花のシャツは1万3200円(税込み)で販売されている。守山市では、アパレル製品を回収して
堆肥たいひ
化する持続可能な取り組み「P―FACTS(ピー・ファクツ)」を進めるメーカー「ピエクレックス」(野洲市)と協力。同マリーナも琵琶湖の藻を堆肥化するなど、循環型リサイクルによる環境に優しい栽培に挑戦している。

 繊維の長さが35ミリ以上の「超長綿」は柔らかな肌触りと光沢が特長で、全世界の綿花のうち、わずか5%ほどの生産量しかないと言われている。今年5月、同マリーナの400平方メートルに植え付けた綿花が収穫から紡績、縫製を経てシャツとなるのは2年後で、約40枚分になるという。

 メーカーズシャツ鎌倉の貞末奈名子社長は「守山の気候風土に合うのかチャレンジ的な要素もあったが、肥料がいいのか、すごくいい綿花に育った。世界でも最高品質の製品になる」と手応え十分。収穫に参加した森中高史市長は「市内のいろいろな所に植え、広がっていけば」と話していた。

 超長綿は、JAファーマーズマーケットおうみんちの隣接農地や、立命館守山中学・高校内でも栽培されており、同マリーナを含めた3か所の作付面積は計約920平方メートル。収穫は11月頃まで行われる。

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[紹介元] YOMIURI ONLINE 希少綿花 守山の特産品に