
ヒマワリや百日草など様々な植物が咲き誇り、セミたちは耳をつんざく声量で鳴き続ける。「これ見て!」。カマキリを手で捕まえ、友達に見せる男の子は誇らしげだ。暑さを心配する保護者の声にうなずきながら、それでもアスレチックを駆けまわる子どもたちのはしゃぎ声が青空に吸い込まれていく。
「近江富士」の愛称で親しまれる三上山(432メートル)の麓に位置する県営公園。約52ヘクタールの敷地を有し、四季折々の森や花を見ながら過ごせるのが魅力だ。
県内唯一の宿泊型の公園で、森林に囲まれたロッジ棟(6棟)があり、バーベキューも楽しめる。2025年4月には遊具広場を改修し、大小3種類の滑り台や巨大なアスレチックなど10種の遊具を新設した。シャクナゲやウメなど季節ごとに楽しめる植物園も整備された。
「この黄色い服とおっきな体がしまっちですよ!」。動画共有アプリTikTok(ティックトック)に投稿した動画から笑顔で語りかけるのは、園長の島川武治さん(56)だ。24年4月から管理を任された島川さんは「しまっち」の愛称で投稿を始め、公園の案内や滋賀のあるあるネタをおもしろおかしく伝える。近所のスーパーなどでも声をかけられるようになり、いまや公園の名物キャラクターに。「外で遊ぶ子どもが減っているが、ここなら、自分で創意工夫して楽しみを見つけられる」と魅力を語る。
25年8月には、山や森の大切さを学んでもらう木育施設「しがモック」が園内にオープンした。県産木材で作ったおもちゃだけでなく、県産スギやヒノキをふんだんに使った空間が一面に広がる。木の香りも感じられ、まるで森の中にいるような雰囲気を味わえる。
比良山地をイメージした滑り台や、水の代わりに卵形の木のボールを詰めたプールなどの木製遊具が並ぶ。赤ちゃんスペース、積み木のおもちゃや季節の葉っぱなどが展示されるギャラリーもある。
滋賀県野洲市の小学1年生(6)は「木の卵のおもちゃを転がす遊具が楽しかった」と息を弾ませた。
7月30日には来場者5万人を達成した。県びわ湖材流通推進課の担当者は、「おもちゃや遊具を通して木のぬくもりを感じ、自然とのつながりを学んでほしい」とする。草の匂いを全身に浴び、木々のぬくもりに触れる。日陰に入り、空気を吸い込んだときのすがすがしさは、スマートフォンの画面からだけでは決して得られない。(青山大起)
滋賀県野洲市三上519。1992年開園。午前9時~午後5時。入園無料。原則月曜休園。しがモックは午前9時半~午後4時。中学生以上500円、小学生以下250円、6か月未満無料。土日祝は事前に予約する。名神高速道路竜王インターチェンジ約15分。
園併設のふるさと館内にある 森林 のカフェGONの 郷 「またほこゆった。」は、地産地消にこだわり、近江米や地元野菜を使った和定食やスイーツなどがそろう。
夏季限定の「涼うどん 近江富士」(税込み1060円)は三上山をモチーフに、かき揚げ、大葉、温泉卵などをのせた。園内のヒマワリをイメージし、マンゴーやレモンのわらび餅など黄色の食べ物が勢ぞろいする「楽えんトロピカルパフェ」(同1080円)もオススメだ。
午前11時~午後4時。金土日と祝日だが、今月23日までは毎日営業する。
出典:読売新聞オンライン

