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太子と人魚伝説 アニメ化

近江八幡・観音正寺

「和の心 育むきっかけに」

琵琶湖へ釣りに訪れた聖徳太子=日本昔ばなし協会、日本財団提供
琵琶湖へ釣りに訪れた聖徳太子=日本昔ばなし協会、日本財団提供
人魚になった漁師=日本昔ばなし協会、日本財団提供
人魚になった漁師=日本昔ばなし協会、日本財団提供
「観音正寺の人魚伝説」を紹介する沼田監督(左)と岡村住職(近江八幡市で)
「観音正寺の人魚伝説」を紹介する沼田監督(左)と岡村住職(近江八幡市で)

 近江八幡市安土町石寺の観音正寺に伝わる聖徳太子と人魚の伝説がアニメ化された。一般社団法人「日本昔ばなし協会」と日本財団が全国で進めている「海ノ民話のまちプロジェクト」の一環で、岡村遍導住職(57)は「滋賀県は聖徳太子の伝説が数多く残っている地域。足るを知り、和の心を育むきっかけになれば」と期待している。(中村総一郎)

 完成したアニメは「観音正寺の人魚伝説」(約6分)。琵琶湖を訪れた聖徳太子が、人とも魚ともいえない姿の「人魚」を釣り上げたことから物語は始まる。

 人魚の前世は漁師で、ぜいたくをするために必要以上の魚を取り、無益な殺生を繰り返した結果、人魚になってしまったと打ち明け、太子に「何とか成仏させてほしい」と懇願。人魚が現れるのは不吉なことが起きる前兆だと考えた太子は……というストーリー。

 寺伝によると、観音正寺は約1400年前、太子によって
きぬがさ
山の山頂に開基。近江国を遍歴していた太子は人魚の願いを聞き入れ、自ら千手観音像を刻んで堂塔を建立したとされる。かつて同寺は人魚のミイラを安置していたが、火事で焼失。今は写真が残る。

 アニメでは「湖でも海でも、人間が欲望のために魚を取り過ぎれば、いずれ取れなくなってしまうかもしれない」「恵みを分け合い、支えあって生きていくことが大切」という教えが語られている。また、太子が人魚となった漁師の話を聞き入れたことを通じて、「姿や得たもので区別することなく、優しい心で助け合うことの大切さ」を描いている。

 同協会の代表理事で、監督を務めた沼田心之介さん(44)は、制作にあたって観音正寺を訪問。岡村住職らに聞き取りをしたといい、「アニメなので見やすく心に入りやすい。このまちの歴史、文化、物語に誇りを持ってほしい」と話している。

 同プロジェクトは海や湖、川にまつわる民話を全国で発掘し、民話に込められた教訓などを次世代に語り継ぐ取り組み。県内では、長浜市の「堀止地蔵」、大津市の「琵琶の名手と水の姫『逢坂の関清水 蝉丸物語』」、高島市の「しこぶちさん」もアニメ作品となっており、いずれも公式サイト(https://uminominwa.jp/animation/)で視聴できる。

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[紹介元] YOMIURI ONLINE 太子と人魚伝説 アニメ化

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