新年度案 国・障スポ開催費など
大津市は12日、1463億8400万円の2025年度一般会計当初予算案を発表した。国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会の開催経費や待機児童対策費などが増える影響で前年度比5・8%増となり、過去最大規模となった。佐藤健司市長は「子どもから高齢者までが輝いて魅力あふれるまちづくりなどの実現に向け、適切に予算配分した」としている。19日開会の市議会に提案する。(角川哲朗)
歳出は、24年10月から所得制限が撤廃された児童手当が前年度比で3割増となった影響などで、扶助費が9・0%増の470億100万円。人件費は人事院勧告に基づく給与や手当の増額で4・1%増の267億6100万円となった。投資的経費には、市民センター施設改修事業費などで6・6%増の154億円を計上した。
歳入は、全体の4割近くを占める市税が6・6%増の541億7900万円。主な内訳は、所得の増加などで個人市民税が11・9%増の223億2900万円、法人市民税は企業の業績見通しが回復基調にあるのを受け、23・9%増の33億5700万円を見込んでいる。
借金にあたる市債は95億3700万円を発行。貯金に相当する財政調整基金から19億5100万円を繰り入れるほか、学校の校舎改修などで公共施設等整備基金も8億3400万円取り崩す。
民間保育施設 整備へ 待機児童対策
待機児童数が全国最多だった大津市は、民間による保育施設の整備で改善につなげようと、2025年度一般会計当初予算案で事業者への補助費2億4200万円を確保した。
市内では宅地造成やマンション開発が進んで子育て世帯の流入が多くなり、昨年4月1日時点の待機児童数は全国ワーストの184人だった。これを受けて、市は0~2歳児を対象にした小規模保育施設2か所(定員計38人)の新設を決め、いずれも今年4月に開所する予定となっている。
ただ、待機児童の完全な解消にめどがついたわけではなく、坂本・下阪本学区など中北部ではニーズが急増していることから、市が補助する形で0~5歳児が対象で定員90人規模の保育施設1園の設置を計画。市保育幼稚園課によると、3月末までに運営母体の公募を行い、夏頃には着工して来年4月の開所を目指すという。
このほか、潜在保育士の確保に向け、マッチング支援や市内の保育所に就職した場合に給付金を出すなどして、切れ目のない子育て支援を進めるとしている。