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大津のうなぎ 100年フード

文化庁認定 蒲焼消費上位、しゃぶしゃぶ、すき焼き・・・

大津市でよく食べられるウナギ(大津市のオカモト水産で)
大津市でよく食べられるウナギ(大津市のオカモト水産で)
近江牛と楽しめる「うな牛重」(湖舟提供)
近江牛と楽しめる「うな牛重」(湖舟提供)
薄く焼いて巻いた卵がのった「きんし丼」(逢坂山 かねよ提供)
薄く焼いて巻いた卵がのった「きんし丼」(逢坂山 かねよ提供)
「うなぎのしゃぶしゃぶ」(くし屋敷提供)
「うなぎのしゃぶしゃぶ」(くし屋敷提供)

 地域で世代を超えて根付く食文化を認定する文化庁の「100年フード」(伝統部門)に、「大津のうなぎの食文化」が選ばれた。大津市は昔から川魚を扱う鮮魚店が多く、2019年の総務省家計調査でも「うなぎの
蒲焼かばやき
」の年間消費金額が全国1位になるほど、ウナギを愛する街だ。しゃぶしゃぶなどユニークな食べ方も特徴で、びわ湖大津観光協会はパンフレットを発行し、PRしている。(林華代)

■江戸時代も

 大津市では、江戸時代には瀬田の唐橋から大津宿の東海道沿いに琵琶湖や近くの川から取れたウナギを扱う店が多くあり、今も街道周辺にウナギを提供する飲食店や鮮魚店が点在する。

 同協会によると、江戸時代の地誌「近江
輿地志略よちしりゃく
」で、瀬田川特産の「黒津の
やな
漁のうなぎ」や「堅田のうなぎ」を紹介。江戸時代に活躍した歌川広重の浮世絵「東海道五十三次」の「大津・走井茶店」に描かれている逢坂山の湧き水や、琵琶湖に流れ込む川などがあり、きれいな水で泥抜きをしていたことが、おいしさの
秘訣ひけつ
だという。

 一方、近年は下流域に建設されたダムなどの影響で、大阪湾から琵琶湖に
遡上そじょう
していた天然ウナギはほとんど姿を消している。現在は、
養鰻ようまん
業者の稚魚を琵琶湖に放流しており、天然の餌を食べて育った成魚が琵琶湖産として流通している。

■食べ方色々

 大津のうなぎの最大の特徴は食べ方の豊富さで、一般的な蒲焼や白焼き、ひつまぶしのほか、しゃぶしゃぶや、すき焼きの具にしたり、近江牛と組み合わせたりして食べる。

 市民は豪勢なハレの日のごちそうとして食べるほか、年末の仕事納めなどでもウナギを食べる習慣があり、混ぜご飯など普段の食卓に上ることもあるという。市内に住む市職員の男性(54)は「ちょっといいウナギを食べて、ご褒美にしている」と話す。

 同協会のパンフレットには、琵琶湖近くの大津市北部から、南部のJR大津駅、京阪京津線沿線、瀬田川付近の18店舗を紹介。湧き水などを使ったこだわりのタレで焼く「オカモト水産」(長等)や、薄く焼いて巻いた卵焼きがのった「逢坂山 かねよ」(大谷町)、近江牛と共に味わえる「湖舟」(石山寺)など幅広く掲載している。

 同協会の坪田
朋也ともや
さんは「大津は湖魚を扱う店が多く、ウナギの消費量は全国的にもトップレベルに近い。県内外の方々に、大津の味を知ってほしい」と話している。

 パンフレットは3万部発行し、市内の観光案内所や宿泊施設、京阪電車、JRの各駅で配布している。詳細は同協会ホームページ(https://otsu.or.jp/information/unagi)で。

 問い合わせは同協会(077・528・2772)。

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[紹介元] YOMIURI ONLINE 大津のうなぎ 100年フード

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