追加料金なしで読売新聞オンラインのすべての記事が読めます!

外来水草 国スポ会場覆う

カヌー競技に影響懸念

湖面を覆うオオバナミズキンバイ(7月30日、東近江市で)
湖面を覆うオオバナミズキンバイ(7月30日、東近江市で)

 琵琶湖や周辺の内湖に群生する特定外来生物の水草・オオバナミズキンバイが急増し、東近江市内で来年開催予定の国民スポーツ大会(国スポ)カヌー競技への影響が懸念されている。県の駆除でここ数年抑え込んでいたが、昨年度末の生育面積は前年度末の倍以上となる計約11万平方メートルに。駆除の手が回りにくい内湖などで局地的に増えたとみられ、同市が対策に乗り出している。(矢野彰)

伊庭内湖 東近江市 駆除へ本腰

 7月30日、記者が国スポのカヌー競技会場となる同市の伊庭内湖を訪れると、湖面にオオバナミズキンバイの青々とした葉と黄色い花が沖合までびっしり連なり、草原のような光景が広がっていた。

 湖畔で長年暮らす男性(89)は「昔は船で人や物が行き来したけど、このままじゃカヌーはできないね」と湖面を見つめた。

 オオバナミズキンバイは県内では2009年度に守山市で初確認された。当初、生育面積は約140平方メートルだったが、16年度には最大30万平方メートルに拡大。県は周辺に広がる恐れがある河口や水門付近などを中心に専用の船や重機で重点的に駆除し、19年度末には4万平方メートル以下に抑え込んでいた。

 だが、23年度末の生育面積は県全体で11万平方メートルと前年度末の5万500平方メートルから倍増し、うち国スポのカヌー会場となる伊庭内湖では前年同期比3倍超の4万7900平方メートルに急増した。ほかに、ヨシの生育域や石積みの護岸付近などでも同2倍弱の5万300平方メートルに増えた。

 県によると、伊庭内湖では岸辺だけで繁茂していたが、昨年度は沖合に根付いて広がるこれまでにない増え方をした。原因は不明だが、水深が浅く日光が底まで届きやすいことなどが影響した可能性があるという。

 オオバナミズキンバイ以外に在来種の水草も繁茂するため、同市は「国スポの開催に支障が出る」と判断。7月に船で刈り取りを開始した。船が入れない浅瀬はダイバーが人力で引き抜くという。市の担当者は「今までにない増え方。国スポに影響しないようしっかり刈り取りたい」と話す。

 県自然環境保全課は「伊庭内湖での繁茂は社会・経済的に影響が大きく、市と連携して早急に対策する。ヨシ帯などではその場から広げない、現実的な対策をとりたい」としている。

<オオバナミズキンバイ>
 北米南部から南米が原産で、鮮やかな黄色い花が咲く。厚いマット状に水面を覆って日光を遮り、生態系に悪影響を与え、船の航行にも支障が出る。断片から再生するほど繁殖力が旺盛で、陸地でも群落を広げるという。

滋賀の最新ニュースと話題

[紹介元] YOMIURI ONLINE 外来水草 国スポ会場覆う

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です