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国宝・梵鐘 音色と共に

佐川美術館で公開

展示されている国宝の梵鐘(守山市で)
展示されている国宝の梵鐘(守山市で)

 釣り鐘の中で県内唯一の国宝に指定されている比叡山延暦寺ゆかりの
梵鐘ぼんしょう
(高さ115・7センチ、口径55・3センチ)が、守山市の佐川美術館で公開されている。9月28日まで。

 梵鐘は延暦寺西塔地区にあった
宝幢院ほうどういん
(廃絶)の鐘として鋳造されたもので、口径に比べて丈が高い形状は他に例がないなどとして、1953年に国宝に指定された。

 鐘の内部には「
比睿山ひえいざん
延暦寺西寳 幢院鳴鐘天安二年 八月九日
至心鑄甄ししんちゅうけん
」と逆文字で刻まれていることから平安時代の858年(天安2年)の作とされる。鐘の内部を直接見ることはできないが、銘文のレプリカも一緒に展示しており、実際に梵鐘の音色を収録した音を聞くこともできる。

 鐘は宝幢院廃絶後に一時行方不明となり、所蔵権の問題などで所有者が二転三転した後、98年に同美術館の収蔵品となった。大阪・関西万博で関西圏を訪れる観光客に国宝を見てもらおうと、4年ぶりに同館で展示することにした。

 同館の深井千尋学芸員は「数奇な運命をたどってたどりついた国宝の梵鐘をながめ、音も聞いて日本文化の一端を感じてもらえれば」と話している。

 展示は午前9時半~午後5時(入館は午後4時半まで)、同館のエントランスホールで。月曜休館(9月15日は開館、翌16日休館)。入館料は一般1300円、高校・大学生900円。問い合わせは同館(077・585・7800)。

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[紹介元] YOMIURI ONLINE 国宝・梵鐘 音色と共に