大津市独自作成 魅力発信など期待
今秋開催される「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ」をPRしようと、大津市が大会のポスターなどに使うメインビジュアル(イメージ画像)を独自に作成した。市と相互協力協定を結ぶ成安造形大(大津市)の学生がデザインを担当した。市国スポ・障スポ大会局は「大会への機運醸成や市の魅力発信につながれば」と期待している。(角川哲朗)
成安造形大生がデザイン
国スポは9月に開幕。大津市はサッカーやテニス、セーリング、フェンシングなどの会場になっており、障スポでは車いすバスケットボールなどが正式競技として行われる。
市では大会を盛り上げようと、昨年2月頃に同大学に協力を依頼。大学がコンペ方式で学生からデザインを募り、イラストレーション領域3年の井上歩南さん(21)と山村凌さん(21)による作品が選ばれた。
デザインは井上さんが山村さんに声をかけ、共同で考案。2人は「大津の歴史と自然」をコンセプトに、大津の風景を描くことからスタート。浮世絵や大和絵、近江八景などのイラストからインスピレーションを得て制作を進めた。
大会が秋に開かれることから、山並みを黄色で表現。その後、琵琶湖を水色、陸地を赤色とバランスを考えながら配色し、色の濃淡も工夫した。
その上で、カヌーやサッカーなどのほか、デモンストレーションスポーツの小倉百人一首競技かるたも含め、市内で開催される全競技の選手のイラストを全体にちりばめた。さらに、浮御堂や比叡山延暦寺など大津を代表する観光施設も描き、一目で大津と分かってスポーツ大会も想起させるデザインに仕上げた。
「過去のスポーツ大会などのイラストを調べると、人物がメインで疾走感のあるものやスポーツらしいものが多かったので、大津らしさをイメージしてこのデザインにした」と山村さん。「秋を感じる色彩と絵巻物のようなデザインを意識し、立体感を抑えて柔らかな印象になるように工夫した」と明かす。井上さんも「2人がそれぞれ得意とする部分を生かせた」と充実感をにじませ、「大会の盛り上がりにつながればうれしい」と話している。
市は今後、ポスターやチラシ、ホームページのほか、啓発グッズにも使う予定で、同局は「市民とともに作り上げる大会を象徴する取り組みになった。様々なシーンで市民の目に触れるよう、活用を検討していきたい」としている。