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名人、クイーン 白熱の試合

公開解説室で熱戦を見守るファンら(大津市で)
公開解説室で熱戦を見守るファンら(大津市で)

近江神宮 かるたファン 見届ける

 大津市の近江神宮で11日に行われた小倉百人一首競技かるたの第71期名人位、第69期クイーン位決定戦(全日本かるた協会主催、読売新聞社など後援)。札を取り合うスピード感や激しさから「畳の上の格闘技」と称される競技かるたの日本一を決める白熱した試合は、40年ぶりに名人とクイーンがともに交代する結果となり、見届けたファンからは大きな拍手が送られた。(青山大起)

 近江神宮は1940年創建で、小倉百人一首の巻頭歌を詠んだとされる天智天皇がまつられており、55年と57年にそれぞれ始まった名人位とクイーン位の第1期から会場に。今では「かるたの聖地」とも呼ばれている。

 全日本かるた協会によると、競技かるたは04年(明治37年)に現在行われているルールが制定され、大正時代から昭和初期にかけて全国的に広がった。近年では、競技かるたに打ち込む高校生を描いた末次由紀さんの人気漫画「ちはやふる」の影響で女子中高生を中心に競技人口が急増しているという。

 その最高峰の大会が名人位戦とクイーン位戦。四段以上で1年間の戦績などによって選抜された東日本、西日本の各32人がトーナメントで戦い、勝ち上がった東西の代表が11月に対戦して名人位、クイーン位への挑戦者を決める。

 今年の名人位戦は、4年ぶりに決定戦に進出した福岡市の九州大大学院1年自見壮二朗さん(23)が、横浜市の会社員川瀬将義さん(30)に挑んだ。先に3勝した方が勝利となる5回戦制で、自見さんは落ち着いた試合運びで初戦を先取。その後は、川瀬さんにリードされる場面もあったが終盤に粘りを見せ、互いに残りの札が1枚になる「運命戦」を2度制し、ストレート勝ちを収めた。

 新名人に輝いた自見さんは「運も味方につけ、不利な場面でも集中して前向きに勝負できた。来年の防衛戦ではさらに成長した姿を見せたい」と笑顔で話した。

 クイーン位戦は、昨年に初挑戦で頂点に立った東京都の会社員井上菜穂さん(25)と、全国高等学校選手権大会の個人戦で2連覇を果たした東京都の高校3年生矢島聖蘭さん(18)が激突。2度の「運命戦」を取った矢島さんが勢いに乗り、3―1で勝利をたぐり寄せた。

 高校生のクイーン位獲得は2008年以来17年ぶりの快挙で、矢島さんは「どんな展開になっても平常心を意識し、高校生らしく笑顔で戦った。最後は自分の納得のいくかるたができた」と振り返った。

 会場には公開解説室も設けられ、県内外から延べ約600人のファンが集まり、永世名人らの解説に耳を傾けながら、モニター越しに熱戦の行く末を見守った。仙台市から観戦に訪れた会社員板橋杏里紗さん(23)は「名人、クイーンどちらも接戦ばかりで、見ていた自分まで緊張した。日本一の実力を間近で見て勉強になった」と興奮気味に話していた。

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[紹介元] YOMIURI ONLINE 名人、クイーン 白熱の試合

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