延暦寺で集い 宗教者や被団協代表
大津市の天台宗総本山・比叡山延暦寺で4日、「比叡山宗教サミット38周年『世界平和祈りの集い』」が開かれ、宗派を超えて約450人が参加した。ノーベル平和賞を昨年受賞した日本被団協の田中煕巳代表委員(93)が「核兵器が使われるかは若い人たちの未来の問題。小さい時から人を愛し、平和を愛する心を育てる以外ない。人々の安寧を願う宗教者に頑張ってほしい」と訴えた。
集いは1986年にローマ教皇ヨハネ・パウロ2世の提唱で、世界の宗教指導者が集い平和を希求したことを機に、翌年から続けられてきた。延暦寺会館では、長崎の被爆者でもある田中さんが講演し、「広島、長崎で約70万人が傷つけられ、殺された経験をもつ唯一の被爆国の日本は、世界の国々に核兵器を捨てさせる努力をしてほしい」と求めた。
屋外の「祈りの広場」では、「平和の願いは、いかなる宗教にとっても根本的なものである」とする「比叡山メッセージ」が朗読された。また、神道やキリスト教、イスラム教など関係者が登壇し、平和の鐘をつき、参加者らが黙とうした。
藤光賢座主(93)は「終戦から80年という節目を迎えた。犠牲者のみたまにお悔やみを申し上げ、私たちはあらゆる兵器や暴力のない、慈愛に満ちた社会の実現にまい進いたします」とあいさつ。ローマ教皇庁諸宗教対話省のジョージ・ジェイコブ・クーバカド長官のメッセージも披露された。
[紹介元] YOMIURI ONLINE 人と平和 愛す心を