来年1月31日と2月1日に、東近江市青葉町の市立八日市文化芸術会館で上演される創作ミュージカル「
のふるさと東近江
親王伝説」の稽古に、出演者らが励んでいる。木地師の祖とされる惟喬親王を描くオリジナル作品。ろくろを使って
や盆などの木地製品を作る木地師は東近江市から全国へ広がったといい、出演者たちは「ミュージカルの楽しさ、東近江の歴史文化を伝えたい」と熱を込める。(中村総一郎)

同市地域振興事業団が主宰する創作ミュージカルは、聖徳太子没後1400年に合わせて制作された「日
ずる国
」(2022年)から続く第5弾になる。
8月のオーディションで選ばれた小学4年~70歳代の出演者38人は、同月末からの土、日曜に稽古を重ねてきた。9月には配役も決まり、2回公演のため主要キャストを入れ替えるダブルキャストで臨む。
ミュージカルは、都を追われた惟喬親王が移り住んだとされる平安時代の近江国・小椋谷(現在の東近江市)が舞台。ろくろを使って木地製品を作る技を親王が村人に伝えたという伝説をもとに、宝塚歌劇団演出家の中村暁さんが脚本、演出を担当する。
11月29日に衣装を着けての稽古を公開した。惟喬親王が木地製品をつくるためにろくろを使うことを思いつく場面、藤原良房らによって都を追われたいきさつを旧友の歌人・在原業平と語り合うシーン、都を離れた自然の中で生きる決意の姿などを確認。約2時間の舞台でセリフやダンス、歌を披露した。
惟喬親王役の永福
さん(26)(近江八幡市)はこれまでの創作ミュージカルで主役を演じた経験があり、「皇位継承の争いに悩む親王と、木地師とともに生きる親王の姿を対比して表現したい」と意気込む。
父親が小椋谷出身だという城戸広幸さん(67)(東近江市)は親王を支える藤原実秀役に挑戦。城戸さんは「物語に縁を感じ、オーディションに応募した。せいいっぱい演じたい」と話した。
公演は両日とも午後2時開演。前売りチケット(全席自由)は一般2000円、18歳以下1000円。問い合わせは同会館(0748・23・6862)。

