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ドタバタ育児 笑いに変え 双子「大変だけど面白い」漫画に

 1歳になったばかりの双子の娘を育てる守山市の主婦高市有希さん(31)が、育児のドタバタを双子ならではの喜びと共に漫画にしてインスタグラムに投稿している。出産前は双子に関する情報はリスクや大変さを強調するものが多くて落ち込んだといい、「双子は大変だけど面白いし、幸せ。そういう面を発信していきたい」と話している。(生田ちひろ)

守山 高市さんインスタ投稿

ドタバタ育児 笑いに変え 双子「大変だけど面白い」漫画に
娘たちとの日々を描くタブレット端末を手に「双子ならではの楽しさを伝えたい」と話す高市さん(守山市で)

 アカウント名は「メェメェさん」(@me_me_sheep8)。高市さんは会社員として経理事務を担当する傍ら、趣味で2020年から同アカウントで日常を描いた漫画を発信していたが、2年前に娘たちを身ごもり、休止。つわりもひどくて退職した。インターネットなどで情報収集する中、目にするのは早産や合併症の危険性、「夜も交互に泣いて眠れない」といった過酷さを強調する情報ばかりで、不安でたまらなかったという。

 昨年3月に出産。確かに育児の大変さは実感するが、娘たちはお互いに見つめ合って笑ったり、2人でハイハイして自分の元に飛び込んで来てくれたりする。「双子ならではのおかしさや、2人に左右から挟まれる幸せを形にしたい」。そんな思いでタッチペンを取り、再びタブレット端末に向かうようになった。

 主人公は少しとぼけたヤギ。かわいいけれど、じっと見ていると何かを企んでいそうなシュールさを感じてヤギを採用。「泥臭い育児のリアルを描くのにぴったり」と考えたという。

 「たまる」の回では、「お金はたまらない、たまるのはゴミと洗い物だけ」と泣くヤギが、そろってハイハイしてきた娘たちを両脇に抱えて「いや 幸せパワーたまってる」とほくほく顔を見せる。「寝返り成功」では、寝返りが始まったことを喜びつつも、3日後には息切れしながら「戻れない双子を交互にひっくり返しまくって一日が終わる――」と自虐的に語って笑いを誘う。

「たまる」の一コマ。「幸せパワーたまってる」とユーモアたっぷりに描かれている
「たまる」の一コマ。「幸せパワーたまってる」とユーモアたっぷりに描かれている

 なかでも、2月下旬に配信した「早生まれは
可哀想かわいそう
?」の閲覧回数は、通常の倍にあたる23万回近くに達した。

 この回では、タクシーに乗ったヤギが「3月はかわいそうだね。大変でしょ」と言われる。

 実は、出産予定日の数か月前に緊急入院していた。奇跡的に1か月前まで持ちこたえたが、出産時は1人が仮死状態で産声を聞けず、自身も輸血を受けギリギリの状態だった。「無事であることが全てで、生まれ月なんて意識していなかった」と振り返り、「いつ生まれても『良い季節』」「周りと比べられることもあると思う。でも親だけはそのままの二人を愛していきたい」と娘たちを大切に抱く。

 「必死につないだ命に対して、最初に言われた言葉が否定的な同情だったのが悲しかった」と高市さん。「無事に生まれた以上の奇跡などないのに、なぜ生まれ月で評価されるのかと思い、同じような経験をした親たちの気持ちを肯定したいと描いた」と明かす。

 今では約6500人のフォロワーがおり、作品は毎日5分ずつ描いて月1、2作投稿している。高市さんにとって「日々のカオスを笑いに変えて消化できる時間」。夫も応援してくれており、「妊婦さんや、孤独になりがちな育児に奮闘する親御さんに肩の力を抜いて笑ってもらえる作品を今後も発信していきたい」と意気込んでいる。

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