野洲養護学校と市 協定
市施設に車両退避 ■ 避難住民を移送
県立野洲養護学校と野洲市は、大規模災害時に同校の送迎用スクールバス11台を市の施設に退避させるとともに、その車両を地域の高齢者や障害者の避難移送に活用する連携協定を結んだ。県教育委員会によると、スクールバスを保有する県内の特別支援学校8校の中で、車両を外部に貸し出す試みは初めてという。(名和川徹)
野洲養護学校では、災害発生時や豪雨による浸水被害などが予想される際には、児童生徒を早退させたり、休校にしたりしている。協定では、敷地内に止めたままのスクールバスが水没するなどして使用できなくなる事態を避けるため、南西約3・5キロの市歴史民俗博物館と、約2・8キロ西にある市学校給食センターに分散して退避させる。それに伴い、同校と市が連携して運転手を手配し、自宅や施設などから避難所に入った高齢者や障害者を別の避難施設に移すために運行する。
同校は現在、小学部、中学部、高等部に計約420人が在籍する県内最大規模の特別支援学校で、スクールバス11台の保有も最多(3月現在)。野洲、近江八幡、守山、栗東の4市と竜王町から通学しており、児童生徒の8割強がスクールバスを利用している。
同校は光善寺川が校舎のそばを流れており、地域住民も参加する学校運営協議会で、洪水などで車両が運行不能になれば学校再開にも大きな影響が出るため、野洲市との連携を望む声が上がっていた。一方、市も各地で起きている大規模災害を受け、水害や地震などの発生時に被災者らの1・5次、2次避難所への集団移動の手段をどう確保するかを検討。被災地の自治体などの取り組みを調べ、避難訓練を通じて障害者団体の意見を聞くなど、有効な方法を探っていた。
協定は、同校が市に協議を呼びかけて実現。2月中旬に市役所で締結式があり、生駒智昭校長と桜本直樹市長が署名した。桜本市長は「今後のさらなる協力体制構築の可能性を実感した。いずれ起こる大規模災害に備え、訓練や研修を継続し、防災力の一層の向上に努めたい」と感謝した。
同校の和田明子副校長は「地元の野洲市と協定を結ぶことができ、本当に心強い。学校と地域とがつながりを深め、お互いが安心して過ごしていけたら」と話している。